(社)トロン協会 ITRON部会
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1999年7月から、(株)エーアイコーポレーションがITRON部会のオブザーバメンバに加わりました。なお、ITRON部会の最新のメンバリストは、ここにあります。
当社は、いち早く機器組込み用ソフトウェアの重要性に着目し、設立当初から一貫して組込み分野に携わってまいりました。通信、ネットワーク、ストレージ関係等の各種ミドルウェアからコンパイラ、デバッガ、CASEツール等の各種開発ツールまで、数々の組込み用ソフトウェア・ソリューションをライセンスしています。特に、μITRONを中核とする「Embedded-ミドルウェア」ソリューションでは、μITRON対応のファイルシステム、通信プロトコル等の各種ミドルウェアに加え、委託開発等のご要望に対応するためのエンジニアリング・サービスまでをトータルに提供しています。また、米国 RTOSメーカによるμITRON仕様OS、「MultiTask!-μITRON仕様バージョン」(U S Software社)の誕生をサポートする等、TRONを中心とした製品展開に力を注いでいます。
1999年8月1日時点で、ITRON部会が編集し、発行されているITRON関連の書籍は別表の通りです。ご希望の方は、各発売元にお問い合わせ下さい。
μITRON3.0標準ハンドブック 改訂新版には、μITRON3.0仕様の最新バージョン (Ver 3.02.02) が収められています。旧版のμITRON3.0標準ハンドブック (Ver 3.00.00) から Ver 3.02.00 への改訂点は、ITRON標準ガイドブック2 に掲載されています。Ver 3.02.00 から Ver 3.02.02 へは、構成の変更や説明の追加だけで、仕様の技術的な内容の変更はありません。
ITRON・μITRON標準ハンドブックは、μITRON Ver 2.0 と ITRON2 の仕様書を1冊にまとめたものです。発行元で品切れとなったため、発行元のホームページで公開されています。
ITRON標準ガイドブック2 は、μITRON3.0仕様をメインのターゲットとして作成されています。ITRON標準ガイドブック'92-'93は、タイトルの期間を過ぎていますが、μITRON仕様 Ver 2.0 や ITRON2仕様を使われている場合には、現在でも有効に活用できます。
書籍名 | 分類 | 価格 | 発行元 | 発行年 | ISBN番号 |
---|---|---|---|---|---|
ITRON・μITRON標準ハンドブック | 和文仕様書 | 発行元品切れ | パーソナルメディア | 1990 | ISBN4-89362-079-7 |
μITRON3.0標準ハンドブック 改訂新版 | 和文仕様書 | 4,000円 | パーソナルメディア | 1997 | ISBN4-89362-154-8 |
μITRON4.0仕様 (Ver. 4.00.00) | 和文仕様書 | 5,000円 (税込み) | トロン協会 | 1999 | − |
ITRON標準ガイドブック'92-'93 | 和文参考書 | 3,500円 | パーソナルメディア | 1992 | ISBN4-89362-197-6 |
ITRON標準ガイドブック2 | 和文参考書 | 3,500円 | パーソナルメディア | 1994 | ISBN4-89362-133-5 |
ITRON TCP/IP API仕様 (Ver. 1.00.01) | 和文仕様書 | − | トロン協会 | 1998 | − |
JTRON2.0仕様 (Ver. 2.00.00) | 和文仕様書 | − | トロン協会 | 1998 | − |
μITRON Specification Ver 2.01.00.00 | 英文仕様書 | 12,000円 | トロン協会 | 1989 | − |
ITRON2 Specification Ver 2.02.00.10 | 英文仕様書 | 15,000円 | トロン協会 | 1990 | − |
μITRON3.0 Specification Ver 3.02.00 | 英文仕様書 | − | トロン協会 | 1994 | − |
μITRON3.0: An Open and Portable Real-Time Operating System for Embedded Systems | 英文仕様書 | $40.00 | IEEE CS Press | 1997 | ISBN0-8186-7795-3 |
ITRON部会では、6月30日(水)と7月1日(木)の両日に、日本教育会館 (東京都千代田区) において、ITRONオープンセミナーを開催しました。このセミナーは、ITRONプロジェクトの最新の成果や、ITRON仕様の実装状況・応用状況、開発環境の状況などを紹介するために毎年1回開催しているもので、今回が10回目の開催になります。今回のセミナーは、「μITRON4.0仕様と次の15年への展望」というサブタイトルで、トロンプロジェクトならびにITRONプロジェクト発足15周年と、ITRONオープンセミナー10回目を記念して、2日間の日程で開催しました。
セミナー初日の6月30日(水)は、例年と同様のITRONプロジェクトに関する最新動向を紹介するセミナーとし、2日目の7月1日(木)には、最新のμITRONリアルタイムカーネル仕様であるμITRON4.0仕様の詳細解説を行いました。昨年度、予定した定員をはるかに越える参加をいただいたことから、今回は十分な広さのある会場で開催したところ、約270名の方に参加いただき、盛況の内にセミナーを開催することができました。
以下では、セミナーの概要を初日と2日目に分けて簡単に報告します。
初日の午前中のセッションでは、ITRONプロジェクトの最近の1年間の活動とその成果の報告と、今後の1年間の計画について紹介した後、μITRON4.0仕様の概要紹介とμITRON4.0仕様研究会の活動報告を行いました。
午後の最初のセッションでは、ITRONプロジェクトのこれまでの15年の経緯を振り返り、今後の15年への展望について討論するパネルセッションを行いました。続く「ITRON仕様関連製品,応用・開発事例」のセッションでは、ITRON仕様に準拠した製品およびITRON仕様OSをサポートする開発ツールの紹介を3件と、ITRON仕様OSを応用した開発事例の紹介を2件行いました。特に、トヨタ自動車による、市販車のエンジン制御にμITRON仕様OSを適用したという発表は、セミナーの数日前に業界紙にも採り上げられるなど、注目を集めました。初日の最後には、トロンプロジェクトリーダの坂村健氏による特別講演を行いました。
セッション終了後には、会場を同じ建物内の別室に移して表彰式・懇親会を行いました。この表彰式では、ITRONプロジェクトの15周年を記念して、最近5年間のITRON仕様の標準化活動に特に大きな貢献をいただいた次の4名の方に対して、「標準化貢献賞」を授与しました。
セミナー2日目には、ほぼ1日かけてμITRON4.0仕様の解説を行いました。最初に、初日に出席されなかった方のために、初日の午前中の講演のレビューを行いました。その後、μITRON4.0仕様書のほとんどの内容を、4つのセッションに分けて解説しました。各セッションは、約1時間の講演と約15分間の質疑応答で構成し、さらにすべてのセッション終了後にμITRON4.0仕様全体に対する質疑応答の時間も用意しました。質疑応答の時間には、仕様決定の理由にまで踏み込んだ活発な議論が行われました。
なお、来年度もこれまでと同様の時期にITRONオープンセミナーを開催する予定です。開催方法や内容についてご意見・ご要望をお持ちの方は、ITRON部会までお寄せいただけると幸いです。
最後に、今回のセミナーに以下の各社から協賛を頂きました。この場を借りてお礼申しあげます。
ITRON部会では、7月7日(水)〜9日(金) の 3日間、東京ビッグサイトにおいて開催された第2回組込みシステム開発技術展 (ESEC) に出展して、ITRON仕様に関する広報活動を行いました。ESEC は、組込みシステムの開発技術に関する展示会と技術セミナーで構成され、リードジャパン(株) の主催で今回が2回目の開催になります。
恒例になったITRONのスタンドについては、隣接する会場で開催された第8回ソフトウエア開発環境展の出展社2社を含めて、別表の37社のブースに置いて頂くことができました。ご協力頂いた方に、この場を借りてお礼申し上げます。
アートシステム(株) アステック(株) (株)アドバンスド・データ・コントロールズ (株)アバールデータ (株)アプリックス (株)アンペール イーエスティー(株) (株)インタ−コム ヴェストソフトウェア(株) (株)エーアイコーポレーション エルグ(株) (株)エルミックシステム ガイオ・テクノロジー(株) 日本橋事業所 ガイオ・テクノロジー(株) 横浜事業所 キャッツ(株) (株)グレープシステム (株)ケーアイテクノロジー コスモリサーチ(株) コマツ |
CQ出版 ソフトウェアディベロップメントシステムズ(株) (株)ソフトボート (株)タンバック (株)デンソークリエイト 東芝情報システム(株) (株)東陽テクニカ 日本アプライド・マイクロシステムズ(株) 日本シグナスソリューションズ 日本システムウエア(株) 日本テック(株) パシフィックソフトワークス (株)ビクター・データ・システムズ 日立ソフトウェアエンジニアリング(株) (有)宮崎システム設計事務所 安川情報システム(株) 横河ディジタルコンピュータ(株) 理想計測(株) |
インタフェース誌 (CQ出版社刊) 1999年9月号は,「最新組み込み技術の徹底研究 − JavaとμITRON4.0」というタイトルの特集を組んでいます。
まず、6月末に仕様を公開したμITRON4.0仕様に関する記事として、「仕様が公開されたμITRON4.0の詳細 − μITRON4.0の概要と共通規定」、「ソフトウェア部品や自動車制御向けの新機能も含んだμITRON4.0のスタンダードプロファイルと拡張機能」の2本が掲載されています。この2本の記事は、高田広章氏、稻光一豊氏、村木宏行氏、山田真二郎氏、宮内哲夫氏、横澤彰氏の6名の共著によるもので、あわせて27ページの誌面が割かれています。
また、JTRON仕様に関する記事として、朝倉義晴氏による「リアルタイムタ スクとJavaプログラムを共存させるJTRON2.0仕様の概要と実装方法」、根本 忍 氏による「JTRON仕様準拠RTOS「JBlend」を使った組み込み機器へのJavaの導 入とその実現手法」の2本の記事が掲載されています。
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