(社)トロン協会 ITRON部会
〒108-0073 東京都港区三田1丁目3番39号 勝田ビル5階
TEL: (03) 3454-3191 FAX: (03) 3454-3224
目次 |
ITRON仕様に従って実装されたリアルタイムカーネルが仕様を満たしていることを認定する検定制度の整備が課題になっていましたが、この度ITRON部会では、μITRON4.0仕様の検定制度整備に向けての作業として、μITRON4.0仕様検定仕様書の作成を開始しました。
検定仕様書とは、実装が仕様に合致していることを確認するためのテストの内容や手順について規定したもので、今回作成を開始した検定仕様書は、μITRON4.0仕様のスタンダードプロファイルと自動車制御用プロファイルに対応するものです。検定仕様書に規定されたテストを行うことで、リアルタイムカーネルがμITRON仕様に忠実に実装されていることが確認でき、カーネル上で動作するアプリケーションプログラムのポータビリティ向上が期待できます。ただし、検定仕様書はあくまでも仕様に合致していることを確認するための最 低限のテストについて規定したものであり、カーネルの品質を保証することを目的としたものではないことにご注意ください。また、今回の作成作業では、検定仕様書に規定されたテストを行うためのテストスイートの作成までは予定していません。
μITRON仕様の「弱い標準化」のポリシーの下では、実装が仕様に合致していることを厳密に定義しにくく、検定制度を整備する上での技術的な問題点となっていました。それに対して、μITRON4.0仕様に導入されたプロファイル規定は、仕様に合致しているという条件が明確になっており、検定制度の実施が技術的に可能になりました。また、検定制度についても、検定仕様書に定められたテストを実施したという自己申告により認定するなど、簡便な方法とする方向で検討しています。
μITRON4.0仕様検定仕様書は、ITRON部会の下に設置した検定仕様書WGにおいて内容の検討を行い、2000年4月末をメドに完成させ、公開する予定です。また、検定制度の実施方法の検討も、並行して進める予定です。
ITRON仕様準拠製品登録制度へ登録された製品および新しく設けた事前割当て申請に基づき、次の通りメーカーコードの割当てを行いました。
0x010d (株)アクセス 0x010e 富士通デバイス(株)
メーカーコードの割当てを希望される方は、ITRON部会までご相談ください。
前号を発行して以降、1999年12月1日までに、新規に登録されたITRON仕様準拠製品は別表の通りです。最新の全登録製品リストは、ITRONプロジェクトホームページにあります。
仕様 | 製品名 | 対象プロセッサ | 会社名 |
---|---|---|---|
μITRON3.0 | μMORE v3.0 | SHシリーズ | (株)アクセス |
書籍名 | 分類 | 価格 | 発行元 | 発行年 | ISBN番号 |
---|---|---|---|---|---|
ITRON・μITRON標準ハンドブック | 和文仕様書 | 発行元品切れ | パーソナルメディア | 1990 | ISBN4-89362-079-7 |
μITRON3.0標準ハンドブック 改訂新版 | 和文仕様書 | 4,000円 | パーソナルメディア | 1997 | ISBN4-89362-154-8 |
μITRON4.0仕様 (Ver. 4.00.00) | 和文仕様書 | 5,000円 (税込み) | トロン協会 | 1999 | − |
ITRON標準ガイドブック'92-'93 | 和文参考書 | 3,500円 | パーソナルメディア | 1992 | ISBN4-89362-197-6 |
ITRON標準ガイドブック2 | 和文参考書 | 3,500円 | パーソナルメディア | 1994 | ISBN4-89362-133-5 |
ITRON TCP/IP API仕様 (Ver. 1.00.01) | 和文仕様書 | − | トロン協会 | 1998 | − |
JTRON2.0仕様 (Ver. 2.00.00) | 和文仕様書 | − | トロン協会 | 1998 | − |
μITRON Specification Ver 2.01.00.00 | 英文仕様書 | 12,000円 | トロン協会 | 1989 | − |
ITRON2 Specification Ver 2.02.00.10 | 英文仕様書 | 15,000円 | トロン協会 | 1990 | − |
μITRON3.0 Specification Ver 3.02.00 | 英文仕様書 | − | トロン協会 | 1994 | − |
μITRON3.0: An Open and Portable Real-Time Operating System for Embedded Systems | 英文仕様書 | $40.00 | IEEE CS Press | 1997 | ISBN0-8186-7795-3 |
JTRON2.0 Specification (Ver. 2.00.00) | 英文仕様書 | − | トロン協会 | 1999 | − |
トロン協会では、11月10日(水)〜12日(金)の3日間に東京ビッグサイトで開催されたマイコンシステム&ツールフェア'99 (MST'99; 主催: 日本システムハウス協会) に、ITRON仕様について紹介するブースを出展しました。また、併設のカンファレンスにおいて、ITRON部会の企画による、ITRON特別セミナーを開催しました。
トロン協会のブースでは、パネルと資料の展示、資料の配付を行いました。また、「RTOSの利用動向に関する調査」のアンケート用紙を配布し、可能な方にはその場で回答いただきました。また、例年通り、各出展会社のブースにITRONのロゴと「当社はITRONプロジェクトをサポートしています」という文言の入ったスタンドを置かせていただくようお願いしました。ご協力頂いた方に、この場を借りてお礼申し上げます。
恒例になったITRON特別セミナーは、展示会2日目である11日の16時〜18時に行いました。今回は、ITRONプロジェクトの最近の活動状況を紹介するために、以下の内容の講演を行いました。夕方の遅い時間帯であったにもかかわらず、セミナーには200名を超える出席をいただきました。
1999年10月中旬から12月中旬にかけて開催された以下の会議・セミナー等で、ITRON部会の関係者がITRONプロジェクトに関する講演を行いました。
ARMソリューションセミナー
10月28日(木)、29日(金)の両日に東京で開催されたアーム(株)主催のARMソリューションセミナーで、ITRON部会主査の田丸喜一郎氏 ((株)東芝) と同幹事の高田広章氏 (豊橋技術科学大学) が、ITRONプロジェクトについて紹介する講演を行いました。このセミナーは、両日に同じ内容の講演が行われましたが、初日は田丸氏が、2日目は高田氏がITRONプロジェクトに関する講演を担当しました。
J Consortium 京都会議
11月8日(月)〜9日(火)に京都国際会館において開催された J Consortium の京都会議で、ITRON部会幹事の高田広章氏 (豊橋技術科学大学) と同委員の八谷祥一氏 (アプリックス(株)) が、ITRONプロジェクトとJTRON仕様について紹介する講演を行いました。J Consortium は、Java に関連する標準化を進めている国際的な標準化団体で、今回の京都会議にも海外からの参加者が多数出席しました。
Motorola & embedded Partner Conference
11月18日(木)に東京で開催されたモトローラ(株)主催の「Motorola &embedded Partner Conference」において、ITRON部会委員の石田克彦氏 ((株)日立製作所) が、ITRONプロジェクトについて紹介する講演を行いました。
エルミックシステム社主催のセミナー
11月26日(金)に開催された(株)エルミックシステム主催のセミナー「高速リアルタイム処理を迎えるエンベデッドシステム」において、ITRON部会委員の門田浩氏 (NEC) が、「ITRONから見たWindowsCE及びACCEL-μ」というタイトルで講演を行いました。
TRONSHOW
12月2日(木)〜4日(土)に東京デザインセンターで開催されたTRONSHOW2000において行われた「TRON Project 最新動向」のセッション (12月2日 13時〜15時) で、ITRON部会主査の田丸喜一郎氏 ((株)東芝) が、ITRONプロジェクトの最新動向を紹介する講演を行いました。その他にITRON関連では、門田浩氏 (NEC) を座長として「組み込みシステムとソフトウェア開発」というタイトルのパネルセッションが行われた他、出展各社からITRON仕様に関連した製品のプレゼンテーションが行われました。
ここでは、ITRON仕様準拠製品登録制度に新規に登録された製品について、簡単な紹介をします。
μMORE v3.0はμITRON3.0の仕様をベースに小規模の組み込み機器で要求されるメモリ資源、性能の要求を満たすように設計されたリアルタイム・マルチタスクOSです。Easy Power Save省電力機能とAVE-TCPネットワークモジュールを標準搭載した、次世代携帯機器向けのリアルタイムOSです。情報家電のデファクトスタンダード、NetFront/Compact、NetFrontと組み合わせても、単独でも実装可能で、省資源、省電力、高性能、高機能な製品開発を実現します。
〒101-0064 東京都千代田区猿楽町2-8-16 平田ビル8F
株式会社 アクセス
営業企画本部 企画開発室
TEL: 03-5259-3771 FAX: 03-3233-0222
Back to the list of ITRON Newsletter (Japanese Version)
Back to ITRON Home Page (in Japanese)