(社)トロン協会 ITRON部会
〒108-0073 東京都港区三田1丁目3番39号 勝田ビル5階
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トロン協会では、11月15日(水)〜17日(金)に東京ビッグサイトで開催されるMST2000 (第14回 マイコンシステム&ツールフェア2000; 主催: 日本システムハウス協会) において、ITRON仕様を中心に紹介するブースを出展するとともに、カンファレンスにおいて、ITRON部会の企画によるITRON特別セミナーを開催します。ITRON特別セミナーは、17日の午前中に開催される予定で、現在内容を検討中です。
また、MST2000では、TRONプロジェクトリーダーの坂村健氏が基調講演を行う他、展示会場内のユニバーシティパビリオンにITRON部会幹事の高田広章氏の研究室が出展するなど、ITRONに関連するイベントが数多く開催されます。詳しいスケジュール等は、MSTのホームページ を参照くだされば幸いです。
2000年7月から(株)セネットが、8月からAccelerated Technology Incorporated が、ITRON部会のオブザーバメンバに加わりました。なお、ITRON部会の最新のメンバリストは、ITRONプロジェクトホームページで参照することができます。
当社は1999年1月設立の若い会社で、BTRON仕様OSの世界への普及を目指して活動を開始しました。パーソナルメディア社 (PMC) のBright/Vの英語版、中国語版の開発販売を手始めに、スケーラブルな、BTRON仕様独自OSの開発を目指しています。非PCの情報家電の拡大の中で、顧客の要望により、ITRONカーネルを用い、リアルタイムOSの特徴を生かしながら、そのシェルを共通のプラットフォームとして、世界のデファクトとしたい、という遠大な計画を進めています。
Accelerated Technology, Inc. は、ソースコードと組込みマーケットでは例のない素晴らしいサービスと共に、リアルタイムオペレーティングシステム(RTOS) を、ロイヤリティ不要で、組込み開発者に提供します。私たちの完全な組込み製品ラインは、マーケットで実績と人気を誇るNucleus PLUSマルチタスキングリアルタイムカーネルと、移植可能グラフィックパッケージ、ネットワーキングおよびインターネットスイート、革新的な開発ツール、プロファイリングおよびシステム解析ツール、などを含む多くの自社開発による補完的製品を軸として展開しています。
会社名: Accelerated Technology Inc.
所在地: 720 Oak Circle Drive East, Mobile Alabama 36609 USA
TEL: 334-661-5770 FAX: 334-661-5788
設立: 1990
日本代理店: 株式会社グレープシステム
E-mail: info@atinucleus.com
URL: http://www.atinucleus.com
前号を発行して以降、2000年7月1日までに、新規に登録されたITRON仕様準拠製品は別表の通りです。新規に登録されたPrKERNEL v4は、μITRON4.0仕様準拠製品としては最初に登録された製品になりました。なお、最新の全登録製品リストは、ITRONプロジェクトホームページにあります。
仕様 | 製品名 | 対象プロセッサ | 会社名 |
---|---|---|---|
μITRON4.0 | PrKERNEL v4 | SH-3 | エルグ(株) |
μMORE v4.0 | SuperHシリーズ, StrongARM | (株)ACCESS |
書籍名 | 分類 | 価格 | 発行元 | 発行年 | ISBN番号 |
---|---|---|---|---|---|
ITRON・µITRON標準ハンドブック | 和文仕様書 | 発行元品切れ | パーソナルメディア | 1990 | ISBN4-89362-079-7 |
µITRON3.0標準ハンドブック 改訂新版 | 和文仕様書 | 4,000円 | パーソナルメディア | 1997 | ISBN4-89362-154-8 |
µITRON4.0仕様 (Ver. 4.00.00) | 和文仕様書 | 5,000円 (税込み) | トロン協会 | 1999 | − |
ITRON標準ガイドブック'92-'93 | 和文参考書 | 3,500円 | パーソナルメディア | 1992 | ISBN4-89362-197-6 |
ITRON標準ガイドブック2 | 和文参考書 | 3,500円 | パーソナルメディア | 1994 | ISBN4-89362-133-5 |
ITRON TCP/IP API仕様 (Ver. 1.00.01) | 和文仕様書 | − | トロン協会 | 1998 | − |
JTRON2.0仕様 (Ver. 2.00.00) | 和文仕様書 | − | トロン協会 | 1998 | − |
µITRON Specification Ver 2.01.00.00 | 英文仕様書 | 12,000円 | トロン協会 | 1989 | − |
ITRON2 Specification Ver 2.02.00.10 | 英文仕様書 | 15,000円 | トロン協会 | 1990 | − |
µITRON3.0 Specification Ver 3.02.00 | 英文仕様書 | − | トロン協会 | 1994 | − |
µITRON3.0: An Open and Portable Real-Time Operating System for Embedded Systems | 英文仕様書 | $40.00 | IEEE CS Press | 1997 | ISBN0-8186-7795-3 |
JTRON2.0 Specification (Ver. 2.00.00) | 英文仕様書 | − | トロン協会 | 1999 | − |
ITRON部会では、7月4日(火)と5日(水)の両日に、東京ビッグサイトおよび東京ファッションタウン (いずれも東京都江東区) において、ITRONオープンセミナーを開催しました。このセミナーは、ITRONプロジェクトの最新の成果や、ITRON仕様の実装状況・応用状況、開発環境の状況などを紹介するために毎年1回開催しているものです。今回のセミナーは、「発展するμITRON4.0仕様と関連仕様」というサブタイトルで、昨年と同様2日間の日程で開催しました。
セミナーの構成も昨年と同様とし、初日にはITRONプロジェクトに関する最新動向の紹介、2日目は技術的な内容の詳細な解説を行いました。今回は、2日目のテーマとして、ITRONデバッギングインタフェース仕様とJCGプロジェクトの開発成果を取り上げました。セミナー初日には約160名、2日目には約110名の方に参加いただき、盛況の内にセミナーを開催することができました。
セミナー初日は、まず午前中のセッションで、ITRONプロジェクトの最新の活動状況について紹介しました。例年実施しているアンケート調査結果の報告に加えて、ITRONデバッギングインタフェースの概要、デバイスドライバ設計ガイドライン、μITRON4.0仕様検定仕様書、C++ API仕様の検討状況などについて紹介しました。
午後の最初には、今後重要性を増してくると考えられる上流設計ツールの組込みシステムにおける活用法や、それに関連してITRONプロジェクトにおいて取り組むべき課題について討論するパネルセッションを行いました。続くセッションでは、ITRON仕様に準拠した製品ならびにITRON仕様OSをサポートする開発ツールの紹介と、ITRON仕様OSを応用した開発事例について、計6件の講演を行いました。初日の最後には、恒例となっているトロンプロジェクトリーダの坂村健氏による特別講演を行いました。
さらに、セミナーと並行して、関連製品を紹介するミニ展示コーナーを設けました。また、セッション終了後には懇親会を行い、参加者間での情報交換の場としました。
セミナー2日目の午前中のセッションでは、ITRONデバッギングインタフェース仕様について解説しました。参加者には、前日にホームページでも公開したITRONデバッギングインタフェース仕様の暫定仕様書 (Ver. 1.A0.00) を配布し、その策定方針や概要、インタフェースの詳細、評価のために行っている実装に関する解説を行いました。
午後のセッションでは、今年3月までに開発作業を完了したJCGプロジェクトの開発成果について紹介しました。JCGプロジェクトは、μITRON仕様OS上で情報家電をネットワーク接続するためのソフトウェア部品群を実装するプロジェクトで、その開発成果はフリーソフトウェアとして配付しています。セミナー参加者には、JCGプロジェクトの開発成果を収めたCD-ROMを配布し、開発したソフトウェアの概要やその活用方法について解説しました。
また、セミナー会場の外では、ITRONデバッギングインタフェース仕様の評価用実装と、JCGプロジェクトの開発成果に関するデモンストレーションを行いました (初日のミニ展示コーナーでも、同じデモンストレーションを行いました)。
なお、ITRONオープンセミナーはこれまでに11回開催してきましたが、来年度にはトロン協会内の部会の再編成が計画されており、またITRONオープンセミナー以外でも、ITRON仕様に関して紹介する機会が増えていることもあり、これまでと同様のITRONオープンセミナーは今回で最後とする方向で検討しています。ただし、ITRON仕様の詳細解説を行う仕様セミナーは、今後とも適切なタイミングで開催したいと考えています。ご意見・ご要望をお持ちの方は、ITRON部会までお寄せいただけると幸いです。
最後に、今回のセミナーに以下の各社から協賛を頂きました。この場を借りてお礼申しあげます。
(株)アプリックス (株)エーアイコーポレーション エルグ(株) (株)エルミックシステム ガイオ・テクノロジー(株) (株)グレープシステム |
(株)ソフィアシステムズ 東芝情報システム(株) (株)日立超LSIシステムズ 富士通デバイス(株) (株)ミスポ宮崎システム設計事務所 リードエグジビションジャパン(株) |
トロン協会では、7月12日(水)〜14日(金)の3日間、東京ビッグサイトにおいて開催された第3回組込みシステム開発技術展 (ESEC; 主催: リードエグジビションジャパン(株)) に出展して、ITRON仕様に関する広報活動を行いました。また、テクニカルセミナーにおいて、ITRON部会や標準化WGのメンバが多数講演を行いました。
恒例になったITRONのスタンドについては、隣接会場で開催されたソフトウエア開発環境展 (SODEC) の出展社も含めて、別表の52社のブースに置いて頂くことができました。ご協力頂いた方に、この場を借りてお礼申し上げます。
アートシステム(株) (株)アクセス アステック(株) (株)アドバンスド・データ・コントロールズ (株)アバールデータ (株)アプリックス イーエスティ(株) (株)エーアイコーポレーション エルグ(株) (株)エルミックシステム (株)ガイア・クリエイション ガイオ・テクノロジー(株) 日本橋事業所 ガイオ・テクノロジー(株) 横浜事業所 キャッツ(株) (財)九州システム情報技術研究所 (株)グレープシステム (株)神戸製鋼所 コスモリサーチ(株) サティアムジャパン(株) サンリツオートメイション(株) システムズリバティ(株) スズデン(株) セイコーインスツルメンツ(株) センチュラエンベデッドシステムズ(株) (株)ソリトンシステムズ 大洋工業設計(株) |
(株)タンバック (株)テクノスコープ (株)電産 (株)デンソークリエイト 東芝情報システム(株) (株)東陽テクニカ (株)トライテック 日本アプライド・マイクロシステムズ(株) 日本システムウエア(株) 日本テック(株) パシフィックソフトワークス (株)ビクター・データ・システムズ 日立ソフトウェアエンジニアリング(株) (株)日立超LSIシステムズ ビットラン(株) (株)フォークス 富士通(株) ベクター・ジャパン(株) マイクロテクノロジー(株) (株)ミスポ メトロワークス(株) 安川情報システム(株) (株)ライトウェル 理想計測(株) レッドハット(株) (株)ワイ・ディ・シー |
トロン協会では、8月22日(火)にソウルのCOEXインターコンチネンタルホテルにおいて、トロン協会韓国セミナーを開催しました。このセミナーは、韓国経済新聞社などの協力によって開催されたもので、ITRON仕様を始めとするトロンプロジェクトの概要を紹介するとともに、関連製品を紹介するミニ展示会を行いました。セミナーの開催概要とプログラムは次の通りです。
セミナーでは、坂村健氏によるTRONプロジェクトの概要の紹介に続いて、ITRON仕様の現状や応用事例、カーネルやその関連仕様の開発状況、JTRONやBTRON、TRON-GUIなどの各仕様の紹介を行い、最後にITRON関連製品紹介とJCGプロジェクトの紹介を行いました。セミナーには、主催者の予想をはるかに越える約350名の参加があり、韓国においてもTRONプロジェクトに対する期待が高いことが示されました。また、多くの参加者がミニ展示のブースを訪れ、製品情報を収集していました。今後、韓国においても、ITRON仕様OSの利用が広がっていくことが期待されます。
韓国においては、今回のセミナーの成功を受けて、トロン協会の韓国支部を設立するための準備活動が始まっています。またトロン協会では、アジア地区において今後も同様のセミナーを開催したいと考えています。
ここでは、ITRON仕様準拠製品登録制度に新規に登録された製品について、簡単な紹介をします。
スタンダードプロファイルのほかに、拡張機能として以下の機能をもっています。
PrKERNEL v4は、μITRON4.0仕様の特徴のほかに、よりリアルタイムなオペレーションを実現するための「プリエンプティブカーネル」としての特徴をもっています。プリエンプティブカーネルとして、PrKERNEL v4はカーネルのシステムコール中に起きるプライオリティインバージョン (優先順位逆転) を回避し、カーネル中のデータの整合性をとる工夫をすることにより、カーネルの応答性を高めています。
その他にも、開発者のためのデバッグサポート機能として、システムトレース機能など、エルグならではの工夫がされています。
現在PrKERNEL v4が対応しているターゲットは以下のとおりです。
なお、現在ARMや他のターゲットにも対応中です。
ご要望、ご質問がございましたら下記までお問い合わせください。
エルグ株式会社 ソフトウェア事業部営業部
〒168-0073 東京都杉並区下高井戸1-5-1
電話: 03-5376-3220
Fax: 03-5376-3230
e-mail: eparts@erg.co.jp
URL: http://www.erg.co.jp
μMORE v4.0はμITRON4.0スタンダードプロファイル仕様に準拠し、小規模の組み込み機器で要求されるメモリ資源、性能の要求を満たすように設計されたリアルタイム・マルチタスクOSです。Easy Power Save省電力機能とAVE-TCPネットワークモジュールを搭載した、次世代携帯機器向けのリアルタイムOSです。情報家電のデファクトスタンダード、NetFront/Compact、NetFrontと組み合わせても、単独でも実装可能で、省資源、省電力、高性能、高機能な製品開発を実現します。
〒101-0064 東京都千代田区猿楽町2-8-16 平田ビル
株式会社 ACCESS
企画本部 企画開発室
TEL: 03-3233-6977 FAX: 03-3233-0222
Mail: adinfo@access.co.jp
URL: http://www.access.co.jp/
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