(社)トロン協会 ITRON部会
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目次 |
2000年11月から、日本ラショナルソフトウェア(株)がオブザーバメンバに加わりました。なお、ITRON部会の最新のメンバリストは、ITRONプロジェクトホームページで参照することができます。
前号を発行して以降、2000年12月1日までに、新規に登録されたITRON仕様準拠製品は別表の通りです。最新の全登録製品リストは、ITRONプロジェクトホームページにあります。
仕様 | 製品名 | 対象プロセッサ | 会社名 |
---|---|---|---|
μITRON3.0 | ELX-ITRON/SH3 | SH3 | (株)エルミックシステム |
書籍名 | 分類 | 価格 | 発行元 | 発行年 | ISBN番号 |
---|---|---|---|---|---|
ITRON・µITRON標準ハンドブック | 和文仕様書 | 発行元品切れ | パーソナルメディア | 1990 | ISBN4-89362-079-7 |
µITRON3.0標準ハンドブック 改訂新版 | 和文仕様書 | 4,000円 | パーソナルメディア | 1997 | ISBN4-89362-154-8 |
µITRON4.0仕様 (Ver. 4.00.00) | 和文仕様書 | 5,000円 (税込み) | トロン協会 | 1999 | − |
ITRON標準ガイドブック'92-'93 | 和文参考書 | 3,500円 | パーソナルメディア | 1992 | ISBN4-89362-197-6 |
ITRON標準ガイドブック2 | 和文参考書 | 3,500円 | パーソナルメディア | 1994 | ISBN4-89362-133-5 |
ITRON TCP/IP API仕様 (Ver. 1.00.01) | 和文仕様書 | − | トロン協会 | 1998 | − |
ITRONデバッギングインタフェース仕様(Ver. 1.A0.00 暫定仕様書) | 和文仕様書 | − | トロン協会 | 2000 | − |
JTRON2.1仕様 (Ver. 2.01.00) | 和文仕様書 | − | トロン協会 | 1998 | − |
µITRON Specification Ver 2.01.00.00 | 英文仕様書 | 12,000円 | トロン協会 | 1989 | − |
ITRON2 Specification Ver 2.02.00.10 | 英文仕様書 | 15,000円 | トロン協会 | 1990 | − |
µITRON3.0 Specification Ver 3.02.00 | 英文仕様書 | − | トロン協会 | 1994 | − |
µITRON3.0: An Open and Portable Real-Time Operating System for Embedded Systems | 英文仕様書 | $40.00 | IEEE CS Press | 1997 | ISBN0-8186-7795-3 |
JTRON2.0 Specification (Ver. 2.00.00) | 英文仕様書 | − | トロン協会 | 1999 | − |
トロン協会では、11月15日(水)〜17日(金)の3日間に東京ビッグサイトで開催されたMST2000 (主催: 日本システムハウス協会) に、ITRON仕様について紹介するブースを出展しました。また、併設のカンファレンスにおいて、ITRON部会の企画による ITRONセミナーと JTRONセミナーを開催しました。
トロン協会のブースでは、「RTOSの利用動向に関する調査」のアンケート用紙を配布し、可能な方にはその場で回答をお願いたところ、約600名の方に回答していただくことができました。また、関連する出展会社のブースに、ITRONのロゴと「当社はITRONプロジェクトをサポートしています」という文言の入ったスタンドを置かせていただきました。ご協力頂いた方に、この場を借りてお礼申し上げます。
恒例になったITRONセミナーは最終日である15日の11時〜12時半に行いました。今回のセミナーでは、ITRONプロジェクト関連の標準化活動の最新状況を紹介し、約200名の出席をいただきました。最初に高田広章氏 (豊橋技術科学大学/ITRON部会 幹事) が、最近の標準化活動の概要とμITRON4.0仕様検定仕様書とITRONデバッギングインタフェース仕様の標準化状況について紹介した後、宿口雅弘氏 (三菱電機マイコン機器ソフトウエア(株)/デバイスドライバ設計ガイドラインWG 幹事) がデバイスドライバ設計ガイドラインの、松為彰氏 (パーソナルメディア(株)/TRON GUI仕様研究会 幹事) がTRON GUI仕様の検討状況を紹介する講演を行いました。また今回、11月のはじめに公開したばかりのJTRON2.1仕様について紹介するJTRONセミナーを同日の14時〜16時半に行い、約100名の出席をいただきました。
その他に、初日の基調講演は、トロンプロジェクトリーダの坂村健氏が「21世紀の組込みシステムとその技術」と題して講演を行いました。また、スポンサーズセミナーやワークショップなどで、ITRONに関連する技術や製品を紹介する講演が数多く行われました。
12月5日(火)〜7日に、東京デザインセンター (品川区五反田) において、第17回トロンプロジェクトシンポジウム/TRONSHOW2001が開催されました。 ITRON関連の講演としては、チュートリアルセッションにおいて田丸喜一郎氏 ((株)東芝/ITRON部会 主査) が ITRONサブプロジェクトの最近の標準化活動状況を紹介する講演を行いました。その他、出展者によるITRONに関連する講演も、数多く行われました。
ここでは、ITRON仕様準拠製品登録制度に新規に登録された製品について、簡単な紹介をします。
Nucleus μiPLUSは、μITRON4.0スタンダードプロファイル準拠 (拡張機能の一部も対応済み) の組み込み用リアルタイムOSです。
Nucleus μiPLUS は、Accelerated Technology, Inc. が開発した、高性能・高機能なリアルタイム/マルチタスクOS、Nucleus PLUS を元に、Accelerated Technology, Inc. および(株)グレープシステムが共同開発した、μITRON仕様準拠の拡張機能版です。この Nucleusμ iPLUS を利用しているカスタマーはまた、完全ネイティブ Nucleus PLUS インターフェースへのアクセスを持ちます。これはつまり、ネットワーキング、グラフィック、ファイルシステム、ウェブサーバおよびブラウザなどの Accelerated Technology, Inc. のすべてのアドオン製品が即座に利用可能ということです。他の Nucleus 製品同様、ロイヤリティ不要、ソースコードにて提供されます。
製品に関するお問い合わせは、info@nucleus.grape.co.jp 宛にお願いします。また、Nucleus のウェブサイトが、http://nucleus.grape.co.jp にあります。
システムコール関数そのものがカーネル処理を行なうので、タスク・レベルからカーネル・レベルへの移行が高速です。カーネル処理は、割り込み処理を除き、割り込み可で動作するので、割り込みへの応答性が良くなっています。システムコールの各種パラメータのチェックの有無を指定できるので、チェックに要する処理を省くことができ、オーバヘッドを10%程度削減できます。
カーネル処理を行なうシステムコール関数はライブラリ提供です。タスクが使用するシステムコール関数だけが、システムにリンクされます。このことにより、カーネル処理が占めるメモリは必要最小限になります。システムコールの各種パラメータのチェックを省くことで、10%程度メモリを削減できます。
システムの状態を参照するシステムタスク (CCT: コンソール・コミュニケーション・タスク) を標準で提供します。 CCTを利用することで、システムを止めることなく、タスクやイベントフラグなどの状態を参照することができます。他にタスクの起動や停止する機能もあり、タスクの単体デバッグに有用です。
各種イベント (システムコールの発行や割り込み発生など) のロギングデータをとることができます。ユーザで指定したポイントでのロギングも可能なので、パフォーマンスのチェックができます。
ELX-ITRONでは、ハードウェアへのアクセスは、タスク処理と分離するために入出力ドライバ形式を基本としています。タスクは、入出力ドライバへの入出力要求の発行を行ないます。ハードウェアが変更された場合、入出力ドライバを入れ替えることで対応できます。DIC (Device Interface Component) 形式の登録も可能です。ELX-ITRONでは、標準でタイマ・ドライバとターミナル・ドライバを提供します。ターミナル・ドライバは、基本的にCPU内蔵のシリアル・コントローラを制御し、ASCII文字列の入出力を行なうドライバです。タスクのデバッグ文の出力などでご利用いただけます。
排他制御を行なうのに適した機能です。優先度継承プロトコルや優先度上限プロトコルをサポートすることで、優先度の逆転現象に対応できます。
日立製作所 SH3 (SH7708, SH7709), SH2 (SH7045, SH7615) ARM ARM7/Thumb (その他CPUで対応中のものもあります。お問い合わせください)
株式会社エルミックシステム
TEL: 045-664-5171 (代表)
FAX: 045-650-1021 (G4)
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