ITRON Newsletter No.22 (HTML Edition)

(社)トロン協会 ITRON専門委員会
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ITRON関連書籍の一覧

1996年8月1日時点で、ITRON専門委員会が編集し、発行されているITRON関連の 書籍は別表の通りです。ITRON・μITRON標準ハンドブックは、μITRON (Ver 2.0) と ITRON2 の仕様書を1冊にまとめたものです。ご希望の方は、各発売元 にお問い合わせ下さい。

μITRON3.0仕様の最新バージョンは、Ver 3.02.00 です。μITRON3.0標準ハン ドブック (Ver 3.00.00) からの改訂点は、ITRONニュースレター No.5 および No.11、 または ITRON標準ガイドブック2 に掲載されています。

ITRON標準ガイドブック2 は、μITRON3.0仕様をメインのターゲットとして作 成されています。ITRON標準ガイドブック'92-'93 は、タイトルの 1992〜93年 という期間を過ぎていますが、μITRON仕様(Ver 2.0) や ITRON2仕様を使われ ている場合には、現在でも有効に活用できます。

ITRON関連書籍一覧
書籍名 分類 価格 発売元 発行年 ISBN番号
ITRON・μITRON標準ハンドブック 和文仕様書 4,800円 パーソナルメディア 1990 ISBN4-89362-079-7
μITRON3.0標準ハンドブック 和文仕様書 4,000円 パーソナルメディア 1993 ISBN4-89362-106-8
ITRON/FILE標準ハンドブック 和文仕様書 3,000円 パーソナルメディア 1992 ISBN4-89362-092-4
ITRON標準ガイドブック'92-'93 和文参考書 3,500円 パーソナルメディア 1992 ISBN4-89362-197-6
ITRON標準ガイドブック2 和文参考書 3,500円 パーソナルメディア 1994 ISBN4-89362-133-5
μITRON Specification Ver 2.01.00.00 英文仕様書 12,000円 トロン協会 1989
ITRON2 Specification Ver 2.02.00.10 英文仕様書 15,000円 トロン協会 1990
μITRON3.0 Specification Ver 3.02.00 英文仕様書 トロン協会 1994
※ 価格には消費税を含みません。
※ トロン協会会員に対しては、会員価格が設定されています。
※ 英文仕様書は、ここから取得できます。

ITRON仕様準拠製品登録制度施行のお知らせ

ITRONニュースレター No.20 でお知らせし ました通り、ITRON専門委員会では、 ITRON仕様準拠製品登録制度を、1996年 10月1日から施行いたします。この制度は、各社で開発された ITRON仕様 (ITRONカーネル仕様, μITRONカーネル仕様, ITRON/FILE仕様) に準拠した製 品を登録いただき、ITRON専門委員会の広報活動などを通じて、ITRON仕様なら びに登録製品の普及を図ることを目的としています。新たに登録された製品は、 ニュースレター上で概要の紹介を行っていく予定です。

なおこの制度は、従来実施してきた ITRON仕様関連製品登録制度の内容を、実 状にあわせて一部見直したものです。従来の制度で登録された製品の内、この 制度でも登録対象となるものについては、そのまま登録製品として引き継ぎま す。引き継いだ登録製品のリストは、次号に掲載する予定です。なお、新しい 制度では、従来の制度において登録対象となっていた ITRON関連のツールや書 籍は登録対象になりませんが、ニュースレター上ではこれらについても積極的 に紹介を行っていく予定です。従来の制度とのその他の主な違いについては、 ニュースレター No.20 をご覧ください。

なおこの制度は、いわゆる検定制度とは異なり、開発された製品が ITRON仕様 に合致していることを検証するためのものではないことにご留意くださ い。

ITRONオープンセミナー報告

さる 7月15日(月)に、ITRONオープンセミナーを開催しました。このセミナー は、ITRON仕様に関する最新の成果やITRONの実装、ITRONに関する開発環境の 状況などを紹介するために毎年1回開催しているもので、今回で 6回目の開催 になります。

今回のセミナーは、「次のステップへの展望」と題し、ITRON の初心者向けに μITRONを用いたシステムの開発手法を紹介する講演を用意するとともに、 ITRON の今後の発展を展望できるテーマを用意しました。特にパネルセッショ ンでは、ITRON専門委員会で今後の重要課題と位置付けているミドルウェアの 標準化をテーマに取り上げ、ユーザ, 半導体メーカ, ミドルウェアメーカといっ た各立場の方にパネラをお願いし、有益なセッションとなりました。パネルセッ ションの詳細な内容は、TRONWARE vol.41 に掲載されていますので、そちらを ご覧ください。

日時: 7月15日(月) 10:00〜17:30
場所: 品川総合区民会館「きゅりあん」
プログラム:
  1. ITRONの最新の状況
    田丸 喜一郎 ((株)東芝)
  2. μITRONを用いたシステム開発手法 − マイクロマウスの事例
    小林 康浩 (富士通(株)), 小島 史郎 (富士通デバイス(株))
  3. パネルセッション「ミドルウェア標準化へのアプローチ」
    司会: 田丸 喜一郎 ((株)東芝)
    パネラ(プレゼンテーション順):
    高田 広章 (東京大学)
    伊藤 紀彦 (日本シグナスサポート)
    高橋 久 (日本電気(株))
    鎌田 富久 ((有)アクセス)
    笠井 保志 (三菱電機セミコンダクタソフトウェア(株))
  4. ITRONの応用事例,開発環境,研究動向
    (1) 「車両制御用リアルタイムOS仕様について」
    佐藤 浩司 (トヨタ自動車(株))
    (2) 「MULTI の ITRON対応」
    福富 寛 ((株)アドバンスドデータコントロールズ)
    (3) 「ITRON 上の TCP/IPモジュールと WWWブラウザ AVE-Front」
    鎌田 富久 ((有)アクセス)
    (4) 「C++言語用リアルタイムOS における優先度継承の実現」
    東原 修 (NECマイコンテクノロジー)
  5. 特別講演 「電脳強化環境とITRON」
    坂村 健 (東京大学)
セミナー当日は会場いっぱいの約100名の参加をいただき、好評の内にセミナ ーを終えることができました。また、セミナー終了後には、参加者間の親睦と 情報交換のために懇親会を開催しました。こちらにも、約40名の参加を頂きま した。

今回のセミナーは、例年に比べて申し込み件数が多く、定員に達した後にお申 し込み頂いた方に対しては、残念ながら参加をお断りさせて頂きました。お断 りした方々には、この場を借りてお詫びいたします。来年度は、今回よりも広 い会場での開催を計画しています。また、毎年参加されている方と、 ITRON の初心者の方との間で要望の違いが大きく、同じ内容で両者の要望を満たすこ とが難しくなっています。そのため、(今年度以上に) 午前中は初心者向け、 発展的な話題は午後にというようなスケジュール分けも考えて行きたいと考え ています。その他、オープンセミナーの開催方法や内容についてご意見がある 方は、ITRON専門委員会までお寄せいただけると幸いです。

ITRONシールについて

ITRON専門委員会では、ITRON のロゴをデザインしたシールを作成しました。 「本製品は、ITRON仕様に準拠しています。」「ITRON仕様をサポートしていま す。」「Conform to ITRON Specification」「We support ITRON.」の文言が 入った 4種類の小さいサイズのシールと、「ITRON仕様をサポートしています。」 「We support ITRON.」の文言の大きめサイズのシールの合計 6種類を用意し ました。今後、ITRON仕様準拠製品登録制度への登録申請者に配布、セミナー などの機会に参加者に配布するなどを予定しています。

ミドルウェア標準化へ向けての取り組み

ITRONオープンセミナー報告の項でも紹介しました通り、ITRON専門委員会では、 組み込みシステムのためのミドルウェアの標準化を今後の重要な検討課題と位 置付け、取り組み方針の検討を行っています。

詳細は決定し次第お知らせする予定ですが、1つの活動として、すでにミドル ウェアを構築・提供している方から、ミドルウェアインタフェース仕様の提案 を募集し、その中で標準化の必要性が高いものに対して標準化作業を行ってい くことを検討しています。また、もう 1つの検討テーマとして、ミドルウェア の提供に適したカーネル機能、特にハードリアルタイム性を持ったミドルウェ アをサポートするカーネル機能についての検討を計画しています。

これらの活動には、従来の ITRON専門委員会メンバ社に加えて、ミドルウェア メーカなどにも参加いただくことが望ましいと考えています。組み込みシステ ムのためのミドルウェアの標準化活動およびミドルウェア提供に適したカーネ ル機能の検討活動に興味のある方は、ITRON専門委員会までご連絡くださ い。


※ このニュースレターは、TRONWARE vol.41 および TRON PROJECT JOURNAL No.45 に掲載されたものを、WWW で公開するために再編集したもので す。

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