(社)トロン協会 ITRON専門委員会
〒108-0073 東京都港区三田1丁目3番39号 勝田ビル5階
TEL: (03) 3454-3191 FAX: (03) 3454-3224
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ITRONオープンセミナー「μITRON4.0仕様と次の15年への展望」を、6月30 日(水)と7月1日(木)の両日に、日本教育会館(東京都千代田区)において開催 します。ITRONオープンセミナーは、ITRONプロジェクトに関する最新の状況や、 ITRON仕様の実装状況・応用状況、開発環境の状況などを紹介するために毎年1 回開催しているもので、前身であるITRON製品セミナーから通算して10回目の 開催になります。また今年は、トロンプロジェクト発足15周年(すなわち、 ITRONプロジェクト発足15周年)にあたり、それらを記念して2日間の日程で開 催することとなりました。
今回のセミナーでは、初日の6月30日(水)を例年と同様のITRONプロジェク トに関する最新動向を紹介するセミナーとし、2日目の7月1日(木)には最新の μITRONリアルタイムカーネル仕様であるμITRON4.0仕様の詳細解説を行いま す。初日と2日目は、参加定員と参加費が個別に設定されており、参加申込も 個別に行うことができます。
初日の午前中のセッションでは、ITRONプロジェクトの最新状況を概観した 後、μITRON4.0仕様の概要紹介とμITRON4.0仕様研究会の活動報告を行います。 午後の最初には、ITRONプロジェクトのこれまでの15年間の経緯を振り返り、 今後の15年間への展望について討論するパネルセッションを行います。続いて、 「ITRON仕様関連製品,応用・開発事例」のセッションでは、ITRON仕様に準拠 した製品ならびにITRON仕様OSをサポートする開発ツールの紹介と、ITRON仕様 OSを応用した開発事例についての紹介をお願いしています。最後に、恒例とな りました、トロンプロジェクトリーダである坂村健氏による特別講演も予定し ています。また、セッション終了後には、懇親会を予定しています。
2日目の仕様解説「μITRON4.0仕様徹底解説」では、午前9時半から午後4時 までを4つのセッションに分け、ほぼ1日かけてμITRON4.0仕様を解説します。 各セッションは、約1時間の講演と約15分間の質疑応答で構成する他、4つのセッ ション終了後には、μITRON4.0仕様全体に対する質疑応答の時間も用意してい ます。これらのセッションでは、μITRON4.0仕様における新しい機能について 詳細に説明することはもちろん、従来の仕様から変更のない機能についても簡 単に紹介します。また、μITRON4.0仕様の検討に参加したメンバが講師を担当 し、仕様決定の理由などにも触れます。なお、初日の「μITRON4.0仕様の概要 とμITRON4.0仕様研究会活動報告」の内容は、2日目には繰り返さない予定で すので、あらかじめご了解下さい。
なお、最終的なプログラムおよび参加申込方法については、ITRONホームページを参照するか、(社)トロン協 会 ITRONオープンセミナー担当 (TEL: (03) 3454-3191, FAX: (03) 3454-3224) までお問い合わせ下さい。今回も多数のご参加をお待ちしていま す。
(社)トロン協会では、昨年の11月から今年の年頭にかけてリアルタイムOS の利用動向とITRON仕様OSに関するアンケート調査を実施しましたが、この度 その調査結果がまとまりました。調査結果は、調査にご協力頂いた方々に送付 するとともに、ここからも公開す る予定です。
(社)トロン協会では、一昨年より、組込み機器におけるリアルタイムOSの 利用動向とITRON仕様OSに関するアンケート調査を、組込みシステムの開発技 術者を主な調査対象として行っています。組込みシステムに関する展示会や郵 送でアンケート調査票を配付した結果、組込み機器の設計・開発技術者を中心 に、昨年の1.5倍を上回る678名の方から回答を頂くことができました。調査に ご協力頂きました皆様に、厚くお礼申し上げます。
アンケート回答者には、最近開発した最大3つの組込み機器について、アプ リケーション分野やシステムの規模、組み込んだOSなどを回答して頂きました が、その結果、ITRON仕様OSを組み込んでいる機器が約31%(内、市販のITRON 仕様OSが約19%、自社用のITRON仕様OSが約12%)、ITRON仕様以外の市販OSを組 み込んでいる機器が約26%、自社用の独自仕様OSを組み込んでいる機器が約17%、 残りの約28%はOSを用いていないという結果となりました。一昨年・昨年の調 査結果との比較では、ITRON仕様OSを組み込んだ機器の割合が徐々に増加する 傾向にありますが、増加の幅は小さく、確かな傾向をつかむにはさらに継続調 査を行うことが必要と考えています。
その他、リアルタイムOSの問題点と選択基準や、ITRON仕様OSの長所・短所、 ITRON仕様OSに関連する活動等の周知度やプロジェクトに期待することなどに ついて調査し、ITRONプロジェクトの今後の方針決定に有益な結果を得ること ができました。また今回の調査では、組込み機器におけるGUIの適用状況につ いても調査を行いました。調査結果の詳細については、ITRONホームページに 掲載を予定しておりますので、そちらをご参照下されば幸いです。
ITRON専門委員会では、1998年4月よりμITRON4.0仕様研究会 カーネル仕様 検討WGを設置して、次世代のμITRONリアルタイムカーネル仕様である μITRON4.0仕様の検討を進めてきましたが、このニュースレターの編集時点で 仕様の内容的にはほぼフィックスし、仕様書を書く作業を残すのみの段階に来 ています。
μITRON4.0仕様公開までのスケジュールとして、5月の初めには仕様書のド ラフト版を公開し、1ヶ月間程度をメドに一般からのご意見を募集する予定で す。6月の初めには、カーネル仕様検討WGにおいて頂いたご意見を検討し、仕 様書の正式版をフィックスし、6月30日(水)と7月1日(木)の両日のITRONオープ ンセミナーにおいて正式版を公開したいと考えています。
μITRON4.0仕様書のドラフト版は、ITRONホームページから入手できるよう にする予定です。μITRON4.0仕様に興味をお持ちの方は、仕様書のドラフト版 をお読み頂き、ご意見をお寄せ頂ければ幸いです。ご意見の送付先については、 ドラフト版公開にあわせてITRONホームページでお知らせする予定です。また、 仕様書の正式版についても、ITRONホームページから入手可能とする方向で検 討しています。
ITRON専門委員会では、7月7日(水)〜9日(金)の3日間、東京ビッグサイトに おいて開催予定の組込みシステ ム開発技術展(ESEC)に出展し、ITRON仕様に関する広報活動を行う予定 です。ESECは、組込みシステムの開発技術に関する展示会と技術セミナーで構 成され、リードジャパン(株)の 主催、(社)トロン協会の協賛で、今回が2回目の開催となります。
1999年4月1日時点で、ITRON専門委員会が編集し、発行されているITRON関 連の書籍は別表の通りです。ご希望の方は、各発売元にお問い合わせ下さい。
μITRON3.0標準ハンドブック 改訂新版には、μITRON3.0仕様の最新バージョ ン (Ver 3.02.02) が収められています。旧版のμITRON3.0標準ハンドブック (Ver 3.00.00) から Ver 3.02.00 への改訂点は、ITRON標準ガイドブック2 に 掲載されています。Ver 3.02.00 から Ver 3.02.02 へは、構成の変更や説明 の追加だけで、仕様の技術的な内容の変更はありません。
ITRON・μITRON標準ハンドブックは、μITRON Ver 2.0 と ITRON2 の仕様 書を1冊にまとめたものです。発行元で品切れとなったため、発行元のホーム ページで公開されています。
ITRON標準ガイドブック2 は、μITRON3.0仕様をメインのターゲットとして 作成されています。ITRON標準ガイドブック'92-'93は、タイトルの期間を過ぎ ていますが、μITRON仕様 Ver 2.0 や ITRON2仕様を使われている場合には、 現在でも有効に活用できます。
書籍名 | 分類 | 価格 | 発行元 | 発行年 | ISBN番号 |
---|---|---|---|---|---|
ITRON・μITRON標準ハンドブック | 和文仕様書 | 発行元品切れ | パーソナルメディア | 1990 | ISBN4-89362-079-7 |
μITRON3.0標準ハンドブック 改訂新版 | 和文仕様書 | 4,000円 | パーソナルメディア | 1997 | ISBN4-89362-154-8 |
ITRON標準ガイドブック'92-'93 | 和文参考書 | 3,500円 | パーソナルメディア | 1992 | ISBN4-89362-197-6 |
ITRON標準ガイドブック2 | 和文参考書 | 3,500円 | パーソナルメディア | 1994 | ISBN4-89362-133-5 |
ITRON TCP/IP API仕様 (Ver. 1.00.01) | 和文仕様書 | − | トロン協会 | 1998 | − |
JTRON2.0仕様 (Ver. 2.00.00) | 和文仕様書 | − | トロン協会 | 1998 | − |
μITRON Specification Ver 2.01.00.00 | 英文仕様書 | 12,000円 | トロン協会 | 1989 | − |
ITRON2 Specification Ver 2.02.00.10 | 英文仕様書 | 15,000円 | トロン協会 | 1990 | − |
μITRON3.0 Specification Ver 3.02.00 | 英文仕様書 | − | トロン協会 | 1994 | − |
μITRON3.0: An Open and Portable Real-Time Operating System for Embedded Systems | 英文仕様書 | $40.00 | IEEE CS Press | 1997 | ISBN0-8186-7795-3 |
さる3月11日(木)、TEPIAホール(東京都港区)において、第15回 トロンプ
ロジェクト国際シンポジウムが開催されました。今回のシンポジウムは、トロ
ンプロジェクト15周年の区切りになるシンポジウムで、トロンの各サブプロジェ
クトの現状と今後を紹介する講演によって構成されました。ITRONサブプロジェ
クトについては、ITRON専門委員会 幹事の高田広章氏(豊橋技術科学大学)に
よる「ITRONサブプロジェクトの最新状況 −μITRON4.0仕様を中心に−」とい
うタイトルの講演がありました。またJTRON仕様に関しては、(株)アプリック
スの根本忍氏による「JTRON仕様の実装とその現状」というタイトルの講演が
ありました。 また、同日を含む3月10日(水)〜12日(金)の3日間には、TEPIAの展示会場に
おいてTRONSHOW'99が開催され、トロンプロジェクトに関連する製品の展示が
行われました。ITRONサブプロジェクト関連でも、(株)アプリックス、メトロ
ワークス(株)、横河デジタルコンピュータ(株)などが出展し、ITRON仕様OSに
関連する製品の紹介を行いました。 すでにご存じの方も多いと思いますが、ITRON
ホームページでは、ITRONプロジェクトに関連して行った講演等で用いた
資料を公開しています。具体的には、「資料室」と
いうタイトルのページにおいて、次のような資料を公開しています(主な
もののみリストアップ)。 ITRONホームページからは、これらの講演
資料に加えて、トロン協会発行のITRON仕様書、ITRONニュースレターのバック
ナンバー、過去の標準化活動の報告、リアルタイムOSの利用動向に関するアン
ケート調査結果など、ITRONプロジェクトに関連する数多くの資料を入手可能
にしています。 ITRON専門委員会では、今後とも、各種の情報や資料の提供にITRONホーム
ページを活用していきたいと考えています。ITRONホームページに関するご質
問・ご意見は、ITRON専門委員会宛にお寄せ下されば幸いです。
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(Japanese Version)トロンプロジェクト国際シンポジウムにおける講演報告
関連資料紹介
※ このニュースレターは、TRONWARE vol.57 に掲載されたものを、WWW
で公開するために再編集したものです。
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