(社)トロン協会 ITRON部会
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トロン協会 ITRON部会では、ITRON仕様に関連する最新の情報やITRON部会の活動を広くお知らせするために、2ヶ月に1回ニュースレターを発行しています。ITRON仕様の追加・訂正に関する情報や、ITRON部会が発行している書籍の訂正情報は、ITRONニュースレター上でお知らせしています。また、ITRON仕様に関連する製品の紹介、書籍や文献の紹介、展示会やセミナー等のイベントのお知らせにも、ニュースレターを活用しています。
ITRONニュースレターは、TRONWARE誌およびトロン協会の機関誌に掲載されます。また、ITRONプロジェクトホームページからも読むことができます。ITRONニュースレターに記事の掲載を希望される方は、ITRON部会までご連絡ください。また、ITRONプロジェクトおよびITRON仕様に関する質問・コメント・要望等についても、ITRON部会までお寄せくだされば幸いです。
ITRON部会では、4月9日(月)〜13日(金)に米国カリフォルニア州 San Francisco で開催される Embedded Systems Conference (ESC) において、例年と同様にITRON仕様に関する広報活動を行います。
今回は、Accelerated Technology 社のブースの一角をお借りする形で出展するとともに、Accelerated Technology と US Software の両社のブース内に設けられたプレゼンテーションスペースで、ITRON仕様を紹介するプレゼンテーションを行います。また、ESC の会期中に、北米支部準備委員会のミーティングを予定しています。
ITRON部会では、μITRON4.0仕様の検定制度実施に向けて、μITRON4.0検定仕様書の作成を行ってきましたが (ITRONニュースレター No.42 参照)、この度その作成作業を完了し、μITRON4.0検定仕様書(案)として公開することとなりました。
ITRON仕様に従って実装されたリアルタイムカーネルが仕様を満たしていることを認定する検定制度は、ITRON仕様カーネル上で動作するソフトウェアのポータビリティを向上させるために必要と考えられるもので、ITRON仕様の国際化の中でその重要性が増しています。今回公開する検定仕様書(案)は、実装が仕様に合致していることを確認するためのテスト項目とテスト手順を規定したもので、μITRON4.0仕様のスタンダードプロファイルと自動車制御用プロファイルに対応しています。ここで、検定仕様書はあくまでも仕様に合致していることを確認するための最低限のテストを規定したものであり、カーネルの品質を保証することを目的としたものではないことにご注意ください。
ITRON部会では、現在、μITRON4.0仕様の検定制度の実施方法について検討を進めていますが、検定仕様書に定められたテストを実施したという自己申告により認定するといった簡便な方法とする方向で検討しています。検定制度の実施方法が固まり次第、検定制度の運用を開始する予定です。
ITRON部会では、μITRON仕様へのメモリ保護機構の導入方法について検討することを決め、基礎的な調査を開始しました。
これまでμITRON仕様が主な適用対象としてきた小規模な組込みシステムでは、ソフトウェアが小規模であったことと、機器の出荷後にソフトウェアが書き換えられることが稀であったことから、カーネルにメモリ保護機構を持たせる必要性が低い一方で、メモリ保護を実現するためのオーバヘッドが大きいことから、μITRON仕様にはメモリ保護機構を盛り込んできませんでした。
ところが近年、組込みソフトウェアが大規模化・複雑化していることと、ネットワークなどを介して外部からソフトウェアをダウンロードする機器が増えていることから、μITRON仕様が主な適用対象としてきた分野においても、システムの信頼性・安全性の確保するためにメモリ保護機構の必要性が高まっています。ただし、メモリ保護機構の導入によりオーバヘッドが大きくなることは許されず、従来の汎用OSとは異なるアプローチでメモリ保護を実現することが必要と考えられます。
このような背景から、ITRON部会では、μITRON仕様へのメモリ保護機構の導入が急務と考え、その標準化の前段階として、どのような保護機構が求められているや、各種のプロセッサにおけるMMUの実装状況などの調査から開始することになりました。標準化検討をどのように進めるかについては検討中ですが、短期間で成果を上げることが求められていることから、ITRON部会メンバによって検討グループを組織する方向で考えています。
2001年1月から、(株)リコー、(株)半導体エネルギー研究所、キャッツ(株)の3社が、ITRON部会のオブザーバメンバに加わりました。なお、ITRON部会の最新のメンバリストは、ITRONプロジェクトホームページで参照することができます。
前号を発行して以降、2001年2月1日までに、新規に登録されたITRON仕様準拠製品は別表の通りです。最新の全登録製品リストは、ITRONプロジェクトホームページにあります。
仕様 | 製品名 | 対象プロセッサ | 会社名 |
---|---|---|---|
μITRON3.0 | TR19 | TX19ファミリー | (株)東芝 |
書籍名 | 分類 | 価格 | 発行元 | 発行年 | ISBN番号 |
---|---|---|---|---|---|
ITRON・µITRON標準ハンドブック | 和文仕様書 | 発行元品切れ | パーソナルメディア | 1990 | ISBN4-89362-079-7 |
µITRON3.0標準ハンドブック 改訂新版 | 和文仕様書 | 4,000円 | パーソナルメディア | 1997 | ISBN4-89362-154-8 |
µITRON4.0仕様 (Ver. 4.00.00) | 和文仕様書 | 5,000円 (税込み) | トロン協会 | 1999 | − |
ITRON標準ガイドブック'92-'93 | 和文参考書 | 3,500円 | パーソナルメディア | 1992 | ISBN4-89362-197-6 |
ITRON標準ガイドブック2 | 和文参考書 | 3,500円 | パーソナルメディア | 1994 | ISBN4-89362-133-5 |
ITRON TCP/IP API仕様 (Ver. 1.00.01) | 和文仕様書 | − | トロン協会 | 1998 | − |
ITRONデバッギングインタフェース仕様(Ver. 1.A0.00 暫定仕様書) | 和文仕様書 | − | トロン協会 | 2000 | − |
JTRON2.1仕様 (Ver. 2.01.00) | 和文仕様書 | − | トロン協会 | 1998 | − |
µITRON Specification Ver 2.01.00.00 | 英文仕様書 | 12,000円 | トロン協会 | 1989 | − |
ITRON2 Specification Ver 2.02.00.10 | 英文仕様書 | 15,000円 | トロン協会 | 1990 | − |
µITRON3.0 Specification Ver 3.02.00 | 英文仕様書 | − | トロン協会 | 1994 | − |
µITRON3.0: An Open and Portable Real-Time Operating System for Embedded Systems | 英文仕様書 | $40.00 | IEEE CS Press | 1997 | ISBN0-8186-7795-3 |
JTRON2.0 Specification (Ver. 2.00.00) | 英文仕様書 | − | トロン協会 | 1999 | − |
2月16日(金)に東京で開催された MPC2001 (Marubun Partner's Conference2001) の Embedded Future Session において、ITRON部会主査の田丸喜一郎氏 (東芝) が、ITRON仕様の最近の状況を紹介する講演を行いました。講演は、同日の15時30分〜16時10分に行われ、100名程度の参加者がありました。また、展示会場において、ITRON仕様の紹介を行いました。
ここでは、ITRON仕様準拠製品登録制度に新規に登録された製品について、簡単な紹介をします。
TR19は、東芝製マイクロプロセッサTX System RISC TX19ファミリーに対応したμITRON3.0仕様準拠のリアルタイムOSです。
TX19は、MIPS R3000AアーキテクチャをベースにMIPS16を追加して当社が開発した、RISCマイクロプロセッサです。
詳しくは、下記のURLをご覧ください。
http://www.semicon.toshiba.co.jp/mctool/index_j.htm
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