ITRON Newsletter No.43 (HTML Edition)

(社)トロン協会 ITRON部会
〒108-0073 東京都港区三田1丁目3番39号 勝田ビル5階
TEL: (03) 3454-3191 FAX: (03) 3454-3224

目次

ITRONニュースレターについて
ITRONオープンセミナー開催日程のお知らせ
ITRON部会 新メンバ紹介
(株)グレープシステム ご紹介
U S Software Corporation ご紹介
メーカーコードの割当て
ITRON関連書籍の一覧
OSEK/VDX Workshop での講演報告
関連製品紹介
複数OS共存技術 DARMA (Dependable Autonomous hard Real-time MAnagement)

ITRONニュースレターについて

トロン協会 ITRON部会では、ITRONプロジェクトに関連する最新の情報やITRON部会の活動を広くお知らせするために、2ヶ月に1回ニュースレターを発行しています。ITRON仕様の追加・訂正に関する情報や、ITRON部会が発行している書籍の訂正情報は、ITRONニュースレター上でお知らせしています。また、ITRON仕様に関連する製品の紹介、書籍や文献の紹介、展示会やセミナー等のイベントのお知らせにも、ニュースレターを活用しています。

ITRONニュースレターは、TRONWARE誌およびトロン協会の機関誌に掲載されます。また、ITRONプロジェクトホームページからも読むことができます。ITRONニュースレターに記事の掲載を希望される方は、ITRON部会までご連絡ください。また、ITRONプロジェクトおよびITRON仕様に関する質問・コメント・要望等についても、ITRON部会までお寄せくだされば幸いです。

ITRONオープンセミナー開催日程のお知らせ

今年のITRONオープンセミナーは、7月4日(火)と7月5日(水)の両日に開催します。初日の7月4日(火)は、例年と同様のITRONプロジェクトに関する最新動向を紹介するセミナーとし、東京ビックサイトにおいて開催します。2日めの7月5日(水)は、JCGプロジェクトの成果および最新のITRON仕様の詳細を解説するセミナーを計画しており、会場は東京ファッションタウンビル (東京ビックサイトからすぐ) です。セミナーのプログラムは現在検討中で、プログラムの詳細や申込方法は次号でお知らせする予定です。今年も多数のご参加をお待ちしています。

ITRON部会 新メンバ紹介

1999年12月から(株)グレープシステムが、2000年1月から U S SoftwareCorporation が、それぞれITRON部会のオブザーバメンバに加わりました。なお、ITRON部会の最新のメンバリストは、ITRONプロジェクトホームページにあります。

(株)グレープシステム ご紹介

当社は組込み分野とパソコン分野の両分野で製品開発・販売、輸入販売、ソフトウェア受託開発を行なっています。ネットワーク系では、X.25, HDLC,ISDN, PIAFS, HTTP, SECSなどのプロトコル開発、TCP/IP, SNMPなどのプロトコルの設置、関連ドライバ、アプリケーション開発で多くの実績があります。米国Accelerated Technology社 (ATI) 製組込み用リアルタイムOS「NucleusPLUS」の日本総代理店として、販売、サポート、開発を行なっております。また、ミドルウェアのコンポーネント群を「グレープウェア」と名付け、販売しております。一部のOEM製品を除き、これらはすべて、ソースコード提供・ロ イヤリティ不要という形態のプロジェクト・ライセンスで販売しております。「Nucleus PLUS」そのもののμITRON4.0対応も行なっており、ATIと共にITRONの世界普及へのお手伝いをさせていただきたいと思っております。

U S Software Corporation ご紹介

1975年、機器組み込み向けのソフトウェアに特化したコンサルティング会社としてアメリカ・オレゴン州ポートランドに設立以来、US SoftwareはリアルタイムOSからTCP/IPにいたるまで多種多様なソフトウェアを提供してきました。特にITRON向けミドルウェアとしてTCP/IP、ファイルシステムを多くのプラットフォーム上でサポートしており、1998年には外国ベンダーとしていち早くITRON互換のカーネルを世界市場に投入、日本以外の市場においてITRONの普及に貢献しております。弊社日本総代理店である(株)エーアイコーポレーションとの強力なパートナーシップのもと、ITRON向けソリューション及びサービスを提供しております。

メーカーコードの割当て

新しく設けた大学・研究機関向けのメーカーコードの使用申請制度 (ITRONニュースレター No.41 参照) に基づき、次の研究室に対して、メーカーコード 0x0002 の使用を承認するとともに、カーネルの識別番号の上位8ビットに用いる値の割当てを行いました。

0x01 豊橋技術科学大学 組込みリアルタイムシステム研究室

ITRON関連書籍の一覧

2000年2月1日時点で、ITRON部会が編集し、発行されているITRON関連の書籍は別表の通りです。ご希望の方は、各発売元にお問い合わせ下さい。

μITRON3.0標準ハンドブック 改訂新版には、μITRON3.0仕様の最新バージョン (Ver 3.02.02) が収められています。旧版のμITRON3.0標準ハンドブック (Ver 3.00.00) から Ver 3.02.00 への改訂点は、ITRON標準ガイドブック2 に掲載されています。Ver 3.02.00 から Ver 3.02.02 へは、構成の変更や説明の追加だけで、仕様の技術的な内容の変更はありません。

ITRON・μITRON標準ハンドブックは、μITRON Ver 2.0 と ITRON2 の仕様書を1冊にまとめたものです。発行元で品切れとなったため、発行元のホームページで公開されています。

ITRON標準ガイドブック'92-'93はμITRON仕様 Ver 2.0 と ITRON2仕様を、ITRON標準ガイドブック2 はμITRON3.0仕様をメインのターゲットとして作成されています。前者はタイトルに過去の年号が含まれていますが、μITRON仕様 Ver 2.0 や ITRON2仕様を使われている場合には、現在でも有効に活用できます。

ITRON関連書籍一覧
書籍名 分類 価格 発行元 発行年 ISBN番号
ITRON・μITRON標準ハンドブック 和文仕様書 発行元品切れ パーソナルメディア 1990 ISBN4-89362-079-7
μITRON3.0標準ハンドブック 改訂新版 和文仕様書 4,000円 パーソナルメディア 1997 ISBN4-89362-154-8
μITRON4.0仕様 (Ver. 4.00.00) 和文仕様書 5,000円 (税込み) トロン協会 1999
ITRON標準ガイドブック'92-'93 和文参考書 3,500円 パーソナルメディア 1992 ISBN4-89362-197-6
ITRON標準ガイドブック2 和文参考書 3,500円 パーソナルメディア 1994 ISBN4-89362-133-5
ITRON TCP/IP API仕様 (Ver. 1.00.01) 和文仕様書 トロン協会 1998
JTRON2.0仕様 (Ver. 2.00.00) 和文仕様書 トロン協会 1998
μITRON Specification Ver 2.01.00.00 英文仕様書 12,000円 トロン協会 1989
ITRON2 Specification Ver 2.02.00.10 英文仕様書 15,000円 トロン協会 1990
μITRON3.0 Specification Ver 3.02.00 英文仕様書 トロン協会 1994
μITRON3.0: An Open and Portable Real-Time Operating System for Embedded Systems 英文仕様書 $40.00 IEEE CS Press 1997 ISBN0-8186-7795-3
JTRON2.0 Specification (Ver. 2.00.00) 英文仕様書 トロン協会 1999
※ 価格には消費税を含みません。
※ トロン協会会員に対しては、会員価格が設定されています。
※ トロン協会発行の仕様書は、
ITRONホームページで公開しています。

OSEK/VDX Workshop での講演報告

2月2日(水)と3日(木)の両日にドイツ フランクフルト郊外の Bad Homburg において開催されたOSEK/VDXプロジェクトのワークショップにおいて、ITRON部会幹事の高田広章氏 (豊橋技術科学大学) が、ITRONプロジェクトの最新状況とデバッギングインタフェース仕様の標準化について紹介する講演を行いました。

OSEK/VDXプロジェクトは、自動車制御システムに用いるOSや自動車内のネットワークの通信仕様の標準化を行うプロジェクトで、ドイツとフランスの自動車メーカおよび電装部品メーカが中心メンバとなっています。今回は、OSEK/VDXプロジェクトの第3回のワークショップでしたが、ITRONプロジェクトの紹介は1997年10月に開催された第2回のワークショップでも行っており(ITRONニュースレター No.29 参照)、今回の講演では、ITRONプロジェクトのそれ以降の成果を中心に紹介を行いました。デバッギングインタフェース仕様の標準化については、ITRON部会からOSEK/VDXプロジェクトに対して共同の標準化活動の実施を提案しており、今回の講演では、デバッギングインタフェース仕様標準化の目的や意義を強調しました。

関連製品紹介

ここでは、ITRONに関連する開発ツールやミドルウェアなどについて、簡単な紹介をします。

複数OS共存技術 DARMA (Dependable Autonomous hard Real-time MAnagement)
(株)日立製作所

日立製作所は、複数OS共存技術 DARMA (Dependable Autonomous hard Real-time MAnagement) を組込み分野に適用し、Windows(R) CE(注1)とμITRON仕様準拠(注2)のOSをSuperH(TM)マイコン(注3)上で共存させるオープンソフトウェアプラットホーム技術を開発しました。本技術により、既存のμITRON仕様準拠OS用のソフトウェアを生かしつつ、同時に、情報サービスなどのオープンソフトウェアを実行することができます。本技術は、SuperH(TM)マイコン上にDAL (DARMA Abstraction Layer) と呼ぶソフトウェア階層を介在させ、Windows(R) CEとμITRON仕様準拠のOSとを、あたかも2台計算機があるかのように動作させます。

【DARMAの特徴】

【問い合わせ先】

株式会社日立製作所 新事業推進本部 プラットフォーム推進部 [担当:上脇]
〒319-1293 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 (大みか事業所内)
電話 (0294)53-1111 (代表)

(注1) Windows(R) CEは米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。Windows(R) CEの正式名称はMicrosoft(R)Windows(R) CE Operating Systemです。
(注2) μITRONはMicro Industrial TRONの略称です。TRONはThe Realtime Operating System Nucleusの略称です。
(注3) SuperH(TM)は株式会社日立製作所の登録商標です。

※ このニュースレターは、TRONWARE vol.62 に掲載されたものを、WWW で公開するために再編集したものです。

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